ようこそ「ふらっと図書館」へ
この図書館では、患者・家族の声を集めたアンケートや、難病に関する社会福祉制度や福祉サービスなど、知っておいてほしい情報を集めました。また、町の世話人から「お薦めの図書」や「心に残った言葉」「絵本コーナー」もありますので、お楽しみください。

アンケート結果

ふらっと書店:わたしを変えたおすすめの一冊

人生がときめく片づけの魔法

  • 近藤 麻理恵(文)
  • サンマーク出版(出版社)

病気になって精神的に 落ち込み、心療内科を受診したときに、主治医から勧められた書籍。書いてある通りに断捨離をしたところ元気になっていった。身の回りの物を片付けることと、気持ちを整理することって似ているのかもしれない。私はこの本に心を救われた。

境を越えてPart1 このまま死ねるか!?

  • 岡部  宏生(文)
  • ぶどう社(出版社)

生きることを常に問い続けざるを得ない日々の中で感じたことや考えたことが、とても正直にそしてユーモアも交えながら語られています。
知ることはつながることだと感じさせられました。
(ALS患者)

Amazonで購入可能です。

おくすりのタネをさがしてみたよ

  • 国立保健医療科学院作成 (臨床研究情報ポータルサイト)

臨床研究やお薬ができるまでをわかりやすく学ぶ本や教材として患者さん・ご家族はもちろん、医療従事者の方にも活用していただきたい1冊です。

バスがきましたよ

  • 由美村  嬉々(文)
  • 松本 春野(絵)
  • アリス館(出版社)

進行性の目の病気から全盲になった男性・山崎浩敬さんの実話を元に作られた絵本です。
地元の小学生に助けられながら続けたバス通勤。「バスが来ましたよ」その声はやがて、次々と受け継がれ…。
小さなひとこと、小さな手。でも、それは多くの人の心を動かした小さな親切の物語です。(1型糖尿病の子どもを含む10人の孫のばーば)

プライマリ・ケア診療所で医学生や研修医にこんなことを話してきた

  • 内山 富士夫(著)
  • プリメド社(出版社)

内科開業医の筆者が、いままでの医学生や研修医の見学、実習、研修の受け入れを通してすべての医師や研究者向けに、開業を含めて伝えたいことを書いた本。
医師の患者に対する見方、医師と患者の距離などが肌で感じられる。患者と医療者の関係やPPIの在り方についても考えさせられる貴重な一冊。
購入はwww.amazon.co.jp から。お値段は1,540円と少し高いが、患者さんにはあまり読んでほしくないという筆者の配慮か(笑)。(JPA役員)

百億の昼と千億の夜

  • 光瀬龍(著)
  • ハヤカワ文庫(出版社)  

光瀬龍のSF小説。日本SFの中でも壮大なスケールを持つ作品として知られる。「神」をテーマにし終末観と救済など、宗教・哲学的色彩も濃い。萩尾望都による漫画化されている。

「物事をいろいろな角度から見ないと、とんでもないことになるぞ~」と教えてくれる。(重症筋無力症及び緑内障の当事者)

アルジャーノンに花束を

  • ダニエル・キイス (著)
  • 小尾 芙佐 (翻訳)
  • 早川書房(出版社)  

光瀬龍のSF小説。日本SFの中でも壮大なスケールを持つ作品として知られる。「神」をテーマにし終末観と救済など、宗教・哲学的色彩も濃い。萩尾望都による漫画化されている。

「物事をいろいろな角度から見ないと、とんでもないことになるぞ~」と教えてくれる。(重症筋無力症及び緑内障の当事者)

おんなが40代にしておくこと

  • 下重暁子(著)
  • 大和出版(出版社)  

4人の子育て真最中の40代。長男の病気の心配もあり、日々の暮らしの中で「自分」を見つめる機会さえなかった。そんな時この本に出会い、「自分」へのご褒美をもらったような気がした。この本に書いてある通りに実行し、今の「わたし」が出来上がった。あの頃、この本に出会っていなかったら……私の人生は変わっていたかもしれない。(1型糖尿病 家族)

グイン・サーガ外伝 七人の魔導師

  • 栗本薫(著)
  • ハヤカワ文庫JA(出版社)   

初出は「SFマガジン」1979年10月の臨時増刊号で全4話が掲載された。その後ハヤカワ文庫JAから刊行された超長編ファンタジー。

「現実から逃避してファンタジーの世界に誘われる。」(重症筋無力症及び緑内障の当事者)

難病と診断されたあなたへ

  • 群馬県難病相談支援センター
  • ハヤカワ文庫JA(出版社)    

コロナにより、私たちはより注意深く感染予防に取り組むようになりました。

対面での相談やカウンセリングの機会が減り、カウンセラー(臨床心理士)が難病の告知の時から患者さんに寄り添い、一緒に静かにこころのことを考えることが難しくなってしまいました。

そこで、あたかも臨床心理士が隣に居るかのように、あたかもカウンセリングを受けているかのように、患者さんが自分のこころと素直に向き合うことができるように願い、この絵本をつくりました。

難病と診断された方のこころに寄り添うことができれば幸いです。

「難病と診断されたあなたへ」デジタルブック

ふらっと絵本紹介

チーちゃんのくち

  • 文/絵:渡辺 真美
  • 監修:NPO法人日本口唇口蓋裂協会   
  • 刊行:口唇保健協会 2005年

口唇口蓋裂で生まれてきたチーちゃんに「生まれてきてくれてありがとう」というママ「どういたしまして」という二人の姿があります。口唇口蓋裂の「正確な内容」と「わかりやすさ」だけでなく「おもしろい」作品です。成長しつつある可愛らしいチーちゃんが自分の鼻の下の傷に疑問を抱いた時「あなたは望まれて生まれてきたのよ」というママ。寄り添うことだけしかできないけれど、それでいい、それが大切と伝えてくれる絵本です。

わたし いややねん

  • 文:吉村 敬子 絵:松下 香住
  • 刊行:偕成社 1980年

脳性まひの当事者が文章を書き、著者の車いすを押し続けた友人の画家が描いた絵本です。最初から最後まで短い文章とモノクロの絵。人の視線が気になりだす思春期「みんなにじろじろ見られるのがイヤ」「私だってみんなと同じなのに」というと、注目されるストレスに「強くなりなさい」と言われた著者が「そやけど、なんで私が強くならなあかんのやろーーーか」。イジメられた人が「強くなりなさい」と励まされる違和感と似ています。少数派が頑張って、多数派に合わせる社会について考えさせられる絵本です。

さっちゃんのまほうのて

  • たばた せいいち
    「先天性四肢障害児父母の会」 のべ あきこ・しざわ きよこ 
    共同制作
  • 刊行:偕成社 1995年

読み聞かせで使いたい作品ですが、途中で声が詰まって最後まで読むことができなくなる絵本の一冊です。本文はすべて、ひらがなとカタカナで書かれています。「さっちゃんのみぎてには いつつのゆびがないのです」

さっちゃんの心の揺れに寄り添い「悔しさ」「悲しさ」「もどかしさ」と向き合ったこどもたちは、感情の芽を大きく育てることができるでしょう。自分や人に対しても困難に向き合うことができるはずです。感情が大きく揺さぶられる作品で、こどもだけでなくおとなにもお薦めの一冊です。

わたしたちの トビアス

  • 編:セシリア=スベドベリ
  • 文/絵 :トビアスの兄姉(ヨルゲン、カロリーナ、ウルリーカ、ヨハンナ)
  • 訳:山内清子
  • 刊行:偕成社 1978年

トビアスは、5人きょうだいの末っ子でダウン症の男の子。文章と絵はトビアスの兄姉、絵はほとんどが7歳のヨハンナが描いています。表紙のトビアスの輝くばかりの笑顔が素敵で、トビアスがいかに愛に包まれてのびのびと暮らしているかが伝わります。

「ふつうの子どもとおなじことがトビアスにできるかどうか、わたしたちにはわかりません。でも、そんなこと どうでもいいんです。わたしたちはトビアスという弟が大好きです」という兄姉たち。おとなはこどもの先の不安を案じますが、こどもの思いはとてもシンプル。こどもたちは「みんな、一緒に暮らさないから、お互いに分かり合ったり、好きになったりできないんだわ」「どんなこどもも、いっしょに遊び、一緒に幼稚園へいったりふつうの学校へ一緒にいかれたら、そしたら、お互いに、こわがらなくなるでしょう」と言います。   

この絵本は約50年前の作品です。現在も健常者と障害者が分けられることによって生じる「知らないことによる不安」は、なかなか払拭されないようです。

いのちは見えるよ

  • 作:及川 和男
  • 絵:長野 ヒデ子
  • 刊行:岩波書店 2002年  

全盲の盲学校教師ルミさんと、少しは見える夫のアキラさん夫婦の第1子誕生を、夫婦の出産と育児を見つめる小学生エリちゃんの視点で描かれています。エリちゃんは視覚障害者のルミさんに「あかちゃんのかわいい顔が見えたらいいね」と言ってしまい、バツの悪い思いをしますが「見えるよ。いのちは見えるんだよ」とルミさんに言われ、「いのちが見えるってどういうことなんだろう?」と考えます。

ルミさんにとって「見えないこと」はあたりまえの日常なので、それを悲しんだり嘆いたりするのではなく、見えないことを前提に工夫しながら育児をしていきます。こどもたちにはどんなふうに「いのちが見えてくる」のでしょうか。

ぼくは 海(かい)くんちの テーブル

  • 文:西原 敬治
  • 絵:福田 岩緒
  • 刊行:新日出版社 2002年

保育園で事故に遭い、脳性麻痺になってしまった1歳児「海(かい)」くんと家族の成長を描いた作品です。経管栄養らしきチューブを付けている海くんの家のテーブルが自分の目から見た世界を語るスタイルで進行します。ある日突然、家族が動くことも意思疎通をすることもできなくなってしまったら、生活が一変することでしょう。海くんは実在します。作者の西原さんは重い障害を持つ二男「海」との暮らしをつづった、私立高校の数学教です。

本書を通して「この子(この家族)幸せかも」と思えば、障害のある人への眼差しが変わるかもしれません。

障がいって、なあに? 障がいのある人たちのゆかいなおはなし

  • 絵/文:オードリー・キング
  • 訳:久野 研二
  • 刊行:明石書店 2004年 

作者のオードリー・キングはポリオの後遺症で四肢麻痺があり、本書の内容は自身の体験を反映しています。車いすに乗った女性が店員に靴のサイズを聞いているのに、店員は付き添いの男性に「彼女の靴のサイズは何センチ?」と聞いているシーンがあります。「障がい者も読者のあなたとおんなじだよ」「障がい者だからこその気づきや体験って、けっこうおもしろいよ」「障がい者が社会で活動したり参加する方法を考えて!」と語りかけます。

2013年(平成25年)日本では障害者自立支援法が「障害者総合支援法」になり、障がいの定義に「難病等」が追加されました。あらためて今、こどもといっしょに障がいについて考えてみませんか。

どんなかんじかなあ

  • ぶん:中山 千夏
  • え:和田 誠
  • 刊行:自由国民社 2005年   

作者の中山千夏さんは、作家・女優・タレント・元参議院議員・社会活動家…様々な側面を持っている方です。絵は星新一や三谷幸喜の著作の挿絵でお馴染み和田誠さん。高名なお二人の合作です。絵本の主人公である小学生「ひろくん」は目の見えないお友達と会って「見えないってどんなかんじかなあ」と目を閉じてみたり、耳の聞こえないお友だちと会って「どんなかんじかなあ」と耳栓をしたりします。立場を変えて色々考えるひろくんですが・・ 読み進めていくと衝撃のラストになります。どんなラストかって? それは読んでからのお楽しみ~。

目の見えない人は「かわいそう」で、両親がいない子どもは「寂しい」存在でしょうか。そんな思い込みは失礼で「目が見えなくても、聴覚の世界はむしろ見える人より深い」「両親がいなくてもそれなりにやっていける」のかもしれませんね。

みんな みんな ぼくのともだち」

  • 編:福井達雨
  • 絵/文字:高田真理子
  • 文:福井義人
  • 刊行:偕成社 1978年    

知的障害児の暮らす施設「止揚学園」(しようがくえん:滋賀県近江市)で子ども時代を過ごした福井義人氏(施設経営者のこども・健常)が文を、止揚学園の園児が絵や文字を書いた作品です。作品の中の義人くんはクラスメイトに「アホとあそぶとアホになる」とからかわれ「みんな僕と違って重い知恵遅れのこどもといっしょに遊んだり、勉強したりしてへんやろ。だからこのこどもたちのことがわからへんのや。ぼくはいつも一緒にいるからよくわかる」と反論します。これがまさしく「インクルーシブ教育」ですね。

周囲のこどもたちに、つまはじきにされた義人くんの訴えからは、知的障害のある「ともだち」への愛と尊敬もあふれています。義人くんの叫びを正面から受け止めてみませんか。

わたしたち 手で話します

  • 作:フランツ=ヨーゼフ・ファイニク
  • 絵:フェレーナ・バルハウス
  • 訳:ささき たづこ
  • 刊行:あかね書房 2006年

リーザは手話ができるトーマスと仲良しになり、トーマスの仲介で他の友達ともいろんな話をします。こどもたちは「耳が聞こえない人は、電話はどうするの?」「目覚まし時計や玄関のベルは?」この絵本の良さは、聞こえないことが大変とかつらいという視点ではなく、聞こえないならこうすればいいとシンプルに教えてくれるところです。教えてもらったこどもたちが「なるほど」「知らなかったわ」と答えます。障害に対して悲壮感のない本書が発行されたのは2006年。ノーマライゼーションやユニバーサルデザインという言葉が普及してきた時代の流れを感じます。

あの輝きの向こう

  • 著者:福田素子
  • 取材協力:わかばクラブ
  • 発行:双葉社  電子書籍(ドキュメンタリーコミック) 2014年     

著者は、これまでにも医療系漫画を数多く取り組まれた人で、筋ジストロフィーの女性を

描いた作品もあります。

本書は、重複障害児「晶(あきら)」ちゃんの成長や家族の暮らしを、母親である千代美さんが語るスタイルで進行します。家族の存在も大きく、パパはとっても魅力的。姉の人生も丁寧に描かれていています。「障害児を抱える家族だから」という特別な状況より、家族の物語を追いながら、自らの家族や価値観について考える機会になることでしょう。

ちいさな おばけちゃん と くるまいすの ななちゃん

  • 文:又野亜希子
  • 造形:はっとりみどり
  • 刊行:あけび書房 2011年    

絵本の主人公は、小さな「おばけちゃん」と車いすに乗る保育園児「ななちゃん」です。文章を書いている又野亜希子さんは、交通事故による脊髄損傷で車いす生活を余儀なくされた中途障害者です。体験のあるご本人だからこその叱咤激励も感じられます。尻込みしてしまいがちな主人公に「ななちゃん、頑張れ~一歩前に!」と。

鬼ごっこを一緒にしたいと思っていても、できないとあきらめていたななちゃんですが、小さなおばけちゃんに「自分の気持ちは伝えないとわかってもらえない」と励まされます。「鬼ごっこに入れてほしい」ということで、みんなが一緒に鬼ごっこをする方法を考えてくれます。さて結末は?読んでからのお楽しみ~。

ローラのすてきな耳

  • 作:エルフィ・ネルセ
  • 絵:エリーネ・ファンリンデハウゼ
  • 訳:久保谷洋
  • 刊行:朝日学生新聞社 2011年

主人公ローラは、難聴のためにつらい経験をします。周囲のこどもに「耳が聞こえない」とはやし立てられたり、ドライバーからクラクションを鳴らされ、にらみつけられたりします。これに対してローラは「わたしのせいじゃないのに」とポツリとつぶやきます。

作者のエルフィさんも自身が耳が聞こえにくい少女でした。画家のエリーネさんも聾学校でこどもたちと接した経験がありました。

難聴児が本書を読めば、「自分と似た思いをした人が世界中にいる」とあらためて実感できることでしょう。難聴児や補聴器が登場する絵本をもう一冊紹介しましょう。

「トーベのあたらしい耳」(作:トーベ・クリベリ/絵:エッマ・アッドボーゲ/訳:枇谷玲子/少年写真新聞社2010年)

障害者権利条約

  • 作:ふじいかつのり
  • 絵:里 圭
  • 刊行:汐文社 2015年    

「私たち抜きに、私たちのことを決めないで」の訴えの元、日本もやっと2006年に障害者権利条約が批准されました。この絵本は、赤ちゃんが誕生し成長していくのになぞらえて表現しています。条文をずらっと並べるのでなく、条約がきちんと守られたなら社会はどう変わるのか、障害者の生活がどう改善されるのかを具体的に描いていて、小学校高学年でも十分に理解できます。

わかりやすく、説得力がある内容にまとめられているのは、藤井さん自身が視覚障害者で日本障害者協議会の代表だからでしょう。法律なんて自分に関係ないと思っている人、権利なんて難しくてわからないという人もいるでしょう。思いやりを持った優しい気持ちを育てるのは道徳ですが、一人の人として生きていくこと自体が権利であるとしたら、誰にとっても大切な根っこは人権であり、それを知らないなんてもったいない。

はせがわくん きらいや

  • 著者:長谷川集平
  • 刊行:復刊ドットコム 2003年

この本の著者は森永ヒ素ミルク事件の被害者です。筆で描いた絵と文字の白黒印刷ですが、芸術性のある絵本です。筆者は京都造形芸術大学客員教授という経歴もあり、数々の賞を受けています。「きらいや」というせりふにはどきっとさせられますが、「きらいや」と言いながら「ぎょうさん食べようか」「だいじょうぶか」と長谷川くんを応援したり、気遣ったりする男の子の行動にほろっとします。歴史的事件を題材とし現代に通じるインパクトや感情を内包した一冊です。

イルカにあいたい 難病の少年、正ちゃんの願い

  • 文:こやま峰子
  • 絵:大島妙子
  • 刊行:国土社 2000年    

絵本の主人公は「ムコ多糖症」の実在する住谷正平少年です。知らないことを知るのは、新しい世界を知ることに繋がります。医療関係の学生やボランティアに興味のある人が小児難病の一つである病気を知る窓としてお薦めの一冊です。ボランティア団体「メイク・ア・ウィッシュ」(難病のこどもたちの夢を叶える活動)の紹介もあります。最後に「正平のこと」として、正ちゃんのお母さんが書いた素晴らしい「あとがき」も含めて読んでください。

ぼくたちの コンニャク先生

  • 写真/文:星川 ひろ子
  • 刊行:小学館 1996年    

主人公の近藤雅則(まさのり)さんは、神奈川県「座間子どもの家保育園」の先生です。生後8か月の時、脳性麻痺と診断されました。文章は1ページに数行ですが、47枚の写真は読者に強烈な印象を与えます。写真家の星川ひろ子さんが2年かけて取材し撮影しただけあり、自然な表情を見事に切り取っています。

また主人公の近藤先生は「脳性麻痺は病気じゃないけど、けがみたいなもんかなぁ」と表現し、できないことはたくさんありますが、園児たちには「すてきでかっこいい、大好きな近藤先生」であり、尊敬の念を抱いていることがわかります。第6回けんぶち絵本の里大賞、1996年日本絵本大賞を受賞しているだけあって、自信をもってお勧めできる作品です。

なっちゃんの声 学校で話せない子どもたちの理解のために

  • ぶんとえ:はやし みこ
  • 医学解説:金原 洋治
  • 監修:かんもくネット
  • 刊行:学苑社 2011年    

主人公なっちゃんは、クラスメイトと話したくないわけではありませんが、自分から話しかけることができないし、話しかけられても言葉がでません。「場面緘黙(かんもく)」と言われ、学校で話せない子どもは0.2%~0.7%いると推測されています。場面緘黙から「社交不安障害」へ移行するおそれもあり、周りの理解が大切です。「クラスのみなさんへ」と書いた場面緘黙児が書いた手紙は、実際に接する手掛かりになりますし、場面緘黙児自身が頑張りどころを見つけることにも繋がります。

リーサの たのしい一日 乗りものサービスのバスがくる

  • 文:マーツ・フォーシュ
  • 写真:エリア・レンピネン
  • 監修:藤澤 和子 訳:寺尾 三郎
  • 刊行:愛育社  2002年    

スウェーデンに住んでいる「二分脊椎症」の主人公リーサが、乗りものサービスの利用者として登場します。本書ではそれぞれのページに写真、文章、ピクトグラム「絵文字」が配置されています。スウェーデンは、ノーマライゼーションを政策として進めていて「障害のある人も読む楽しみを感じたり、知識や情報を得る機会を平等に持つことができるように」というシステムが構築されています。リーサはデイケアセンターで働くことと、成人学校に行くこと、外出して、いろんな人と交流し「あなたは大切な人だ、必要な人だ」と言われる時間があります。日本でも私たちが今後変えていく必要があることなのかもしれませんね。

また きょうも みつけた

  • 作:辻 友紀子
  • 刊行:ポプラ社 2013年    

パステル画家の辻さんは、進行性筋ジストロフィーの患者で、車いす。人工呼吸器のユーザーでもあります。本書の表紙のウサギの友紀子ちゃんは、作者自身の経験や思いが投影されたキャラクターです。

「こんなわたしでも、うまれてきてよかったのだと、神様にいいわけしたくて、うまれたわけをさがしたこともあった。でも、わけなんてさがさなくてよかったのだ。わたしがここにいるだけで、充分なのだから(中略)わたしは『わたし』をしあわせにする」

自分が幸せだと思えない人は、ぜひ本書を読んでください。もしかしたら「しあわせ」の定義が変わって「幸せな私」になれるかもしれません。

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