恩師といえば、学校の先生というイメージがありますが、大人になってから出会った「恩師」が多かったのは意外でした。

学校では、自分を出すことができず、先生は怖い人というイメージだった。大人なって素の自分を出すことができたのは鍼灸の盲目の先生だった。先生に「将来は外国で仕事がしたい」と告げたら「付いて行ってあげる」といわれたことがうれしかった。

学校では、元気がよく明るい性格で、先生から「うるさい」といわれるほどだった。しかし、病気になって入院中に何も食べられなくなった。主治医から「食べることは自分でできる治療だよ」といわれ、無理して一口食べたところ、とても喜んで下さった呼吸器科の先生とは、30年以上経った今でも交流がある。

がんの末期で痛みに耐え20歳で亡くなった大好きだった人。「笑った顔を覚えていてほしい」との思いで、痛いのにいつも笑顔を見せていた。あの人を思い出し「くじけたらいけない」と自分に言い聞かせる。

進行性の難病の告知を受けたことを上司に告げたところ「やってもらことは、当たり前だと思うな」と言われた。この上司が恩師?それってパワハラでは?何と心の美しい方なのでしょう・・・転んで折れた前歯を時々外して笑って見せてくださるユーモアあふれる女子に癒されます。

中学校の国語の先生は、毎時間自分が読んでいる本の紹介を実に楽しそうに話して下さった。その中でも「星新一」の短編SF小説の話は今でも鮮明に覚えている。読書の楽しさを教えてくれた先生。退職後は、平均年齢70歳という劇団「ババーズ」を作り、全国を飛び回っていた。恩師と呼べる人に出会えたことはありがたいことでした。